この言語を用いてできること

何ができるのか

Solidityを用いてできることとしてまず挙げられるのが、スマートコントラクトを応用したDAppsによるDeFiの開発です。DAppsはスマートコントラクトによる分散型アプリケーションであり、この技術を用いたシステムとして代表的なのが分散型金融システムのDeFiです。DeFiは、金融機関や仮想通貨取引所などの介入を必要とせず、個人間で金融取引ができるシステムのことを指します。例えば、これまでは海外の金融商品に投資する際、日本円を投資先の通貨に交換する必要があったため、手数料の負担が発生し、入出金にも時間を要していました。しかし、DeFiの登場により、取引をブロックチェーン上で行うことが可能になったため、これまで必要だった面倒なやり取りが発生せず、手数料も安く済むようになりました。これによりDeFiは大きく注目され、Ethereumの価値が高まり、それと同様にSolidityの重要度も高まっています。
また、DAppsはNFTの開発も可能です。NFTとは代替不可能なトークンのことで、デジタルアートやゲーム、音楽などのコピーが容易なコンテンツのデータに対し、資産的価値を付与する技術です。NFTの登場により、近年は数億円もの価値になるアート作品が誕生しています。これも基本的にはEthereumで開発を行うため、実装に必要な言語であるSolidityに注目が集まっています。

具体例

Solidity によって実現したシステムを、より具体的に紹介します。まずは、DEX(分散型取引所)です。DEXの登場により、暗号資産の取引を個人間で直接行えるようになりました。決済までのプロセスがスマートコントラクトによって自動化され、管理コストが低くなり手数料は今までよりも安く済みます。大手企業などの中央集権的な存在がいないので不利益は自己責任になりますが、これまでよりも格段に素早く取引を行えることから、利用者は増加しています。代表的なサービスとしては、Uniswapなどが挙げられます。
また、ブロックチェーンを用いた投票システムがあります。議決権をトークンとして発行し、スマートコントラクトによって自動集計を行うシステムです。これにより、得票数の改竄を防ぐことができます。なお、議決権として発行されたトークンをガバナンストークンと呼びます。
さらに、暗号資産の貸し借りについてもスマートコントラクトによって自動化が可能になりました。暗号資産を担保として預け入れることで、引き換えに預かり証としてトークンが発行されます。このトークンを引き換えにして、預け入れた暗号資産と利息を受け取れるシステムです。代表的なサービスとしては、Compoundなどが挙げられます。